堕天使の煉獄
2018-03
31
23:53:21
花粉症シンドイ。
そんな感じで何も手に付かず、とりあえず読書でお茶を濁す日々。
黒崎視音「六機の特殊2 蒼白の仮面」
うーん。この人はネタはおもしろげなのに、文章がちょっと拙い印象なのだけど。今作はさらにラノベっぽい。ていうか、いろいろ薄っぺらい印象ぽ。なにげに世間の評価はどうなんだろうとググってみると、書評サイトではなんかおおむね好意的であるぇー? とちょっとなったのだけども。
それでもちょいちょいある批判的なレビューは、わりと自分も感じた事ばかりでわりと同調する部分おおかったりで。特に、なんだか文章がちぐはぐで装飾の部分が浮いてたりとか、軍事系知識の解説の部分が浮いてるなとはおもってたんだけども、その批判的レビューのなかで、「専門書や参考文献の丸写しのような部分が目立つ」と言うのを観て、ああそういうことかと腑に落ちる。なんか地の文に対して、技術解説的やちょっと厨2臭い装飾とかがとってつけたようで借り物感がアリアリなんですよね。あとは犯人側の人物像が薄っぺらすぎるのもなんだなと。
あと、ちょっと思ったのは、作中でコンクリ殺人事件の主犯の男をモデルにしている(というか作中でまんまコンクリ殺人まんまの説明で、名前等が多少変えてあるだけ)人物がでてくるのだけども。
これってええんかいなとかちょっと思ったり。べつにあの胸くそ悪い事件の犯人の人権だとかはどーでもいいのですが(悪人に人権はないっ)フィクションの中で美化してみたり、事件のことを回想させたりとかって、なんだかもやもやっとする物が。
しかし思い返せば、そういった前例には枚挙にいとまがない筈なのですよね。昔からフィクションの中に実在の犯罪者がモデルの犯人役的なものを出したりするのって。
でもなんでコレだけ妙にもやっとした物を感じるのかと思えば、単純にリアルタイムで事件を報道などで観ていた事件だからだろうか。
んーでもオウム真理教がモデルの小説では、普通にこれはあの人物がモデルで、この人は……と読んでても特にこうもやっとしたものは感じなかったのにな。何でだろ。この本全体にある軽薄さみたいなものが、実在の痛ましい事件とあまりにも乖離しているというか、なんか事件を玩具にしてるような不快感をなんだか感じてしまってるのかもしれない。ものすごく個人的な価値観的な部分で変な具合に引っかかってるだけなのかもだけど。
この本の前に読んだものの影響もあるのかもしれない。それが次の本。
清水潔「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」
ネットのまとめサイトか何かのなかで、冤罪事件の話でこの事件の話が載っていて。無期懲役で17年服役後に無罪釈放という。この冤罪事件や、元の事件はリアルタイムでTVで報道を見ていた記憶がある。そしてこの本それらの情報サイトのなかで紹介されてた本で、事件のルポもの。
ルポものといいつつも、微妙に筆者であり記者の清水潔が自分の功績をたたえる自叙伝的な部分がちょっと鼻につく所も。寝てるときに被害者の少女と思われる霊がベッドの回りを歩いてたとかいうオカルトもちょっと冷める。
しかしそれ以外の部分、警察という組織の腐りっぷりがヤバイ……。結局のところ、この冤罪事件の根底にあったのは、新方式のDNA鑑定技術の確立と、その信憑性。その最中で古いDNA鑑定方法が間違ってると認めると、本件以外でも再検査がおこなわれて新たに冤罪が発覚したりすると困る……というような、面子だとか体面だとか、真実の探求がなおざりになっているどころか無視されているレベルで、現場の刑事も大きな事件なので解決させる事が目的であって、解決したことで面子さえ守れれば良いというところからの、半ば拷問による強制的な自白→冤罪という流れだったりで、とにかく酷い……の一言。
クライム小説でも、検死官物とか科学捜査物が好きなのですが、それは自供や自白とかの曖昧な物ではなく、科学的な物証によってきちんと白黒付く明白さが好きなのかもしれないと改めて思ったり。
しかし現実には面子や体面、決めつけや予断、勘、思いつきのようなあやふやなものでごり押しで解決=点数稼ぎにのみ突っ走る警察の現実を見せつけられて、もし自分が被害者、被害者家族などになったときに、まるで警察って信用に足らないじゃないかと思わせるに十分な無能っぷりだなと。
漫画や小説の中の科捜研は、予断を排したあくまでも科学的な真実のみを追求する集団という感じで描かれてたりするのですが、そこすらもわりと現実では当てにならんのだなと。
なんかDNA鑑定方法のあたりは、薬の認可とかと同じ匂いがするですよね。その薬が効くかどうかではなく、認可をとって開発費がペイ出来るか、いくら儲けられるか。開発者として名前が売れるか。そのためにはもっと効いて副作用も少ない新薬が出来ても握りつぶす。研究開発費がペイできるまでは大して効かないとわかってる薬でもずっと使われ続ける。みたいな。
そういう世界の人達には冤罪によって10年以上も投獄された人一人の人生なんて気にもとめない世界の住人なんだろう。そんなところに真実だけを追究しろよといっても無駄なんだろうな。
そんな絶望感というか不信感が募る内容であるとともに、子供が巻き込まれる犯罪は胸くそが悪いなと。
あとは真犯人と目される「ルパン」について結局曖昧かつ、なんの決着も付いていない部分がちょっと消化不良ぽ。
次の本。
フレデリック・フォーサイス「アウトサイダー 陰謀の中の人生」
フォーサイスの自伝。フォーサイスといえば、ウィキにも描かれているように、スパイ活動をしていたとか、本の印税でとある反政府ゲリラへの支援を行ったとかいう噂があるお人なのですが。
元記者だという以外はそれほど詳しい経歴は知らなかったのだけども、自伝を読むと、結構すごい人だったんだなと。元イギリス空軍の戦闘機乗りだったり、ものすごく活動的な人物だったようで。
自伝というよりは普通に小説のようで、フォーサイスの人生も小説の主人公のよう。多少は盛ってる部分もあるのだろうけど、普通に自伝としてではなく読み物としても面白かった。
しかしまず最初に思ったのは既視感。なんかこの自伝の書き方には覚えがある。コリンウィルソンの自伝もこんな感じだったなと。共通するのはイギリス人気質と言う奴なのだろうか。ともすれば傲慢にも思える、自身への矜持。ああイギリス人的だなあとかおもったり。それほど自伝的なものて読むことないのだけども、ほかで読んだことあるのはスティーブンキングの自伝的なのとかも面白かったな。
そしてビアフラ戦争。
漠然とアフリカでお腹を空かせた子供が大勢いて~といった写真を誰しも一度は見たことがあると思うのだけど、その内幕が、実際に現地で記者として取材した記録から描かれている。漠然と海の向こうでは~と言う感じで当時は細かいデティールまでは知らなかったのだけども(ビアフラ戦争1967年~1970年なのでおいら生まれる前の話だし……)フォーサイスの記者としての目線からその詳細を見るに、結局の所大国のエゴとか代理戦争に現地の人が巻き込まれての悲劇だったと。
今も昔もやってる事は変わらないですね……。
なんだか犯罪もののルポから戦争もののルポまで続けて読んでると、性悪説ではないのですが、世界は悪意に満ちてるような、そんなどんよりとした気分になりますね。何処を向いても金と欲に染まった人でなしばかりしかいないような。それが人間だと要ってしまえばそれまでですけどね。
なんだか現実は酷い事ばかりだなとちょっぴり暗い気持ちになる。
パトリシア・コーンウェル「死体農場」
あいかわらずの主人公のケイ・スカーペッタの糞女っぷりがすさまじい。
自分に好意を持っているのを知りつつも、がさつで下品でぶっさいくなおっさん(でも刑事としての腕は敏腕)のマリーノ警部に対してはその好意に応えることは「無いわー」ときっぱり拒否。そのくせ不摂生とか私生活に対して気に掛けてやってるのに、他の女に目移りしたり言うこと聞かないとか何なのアンタ! とキレたりするし。基本的に自分が美人でいい女だと自覚してて、どんな相手からも好意を向けられて当然だと思ってる系の女なのですよね。んで、その好意に対して受けるのはイケメンだけという。そんなんに振り回されてるマリーノ警部を生暖かく見守るシリーズです(ぉ
しかし、シリーズ数作前の時に、大学時代の恋人とよりをもどしてイチャコラしたあげくだらだらとラブロマンスが続いたとき、読者から「このシリーズに恋愛要素とかイラネ。」という意見が多く出たらしい。ちなみにおいらも読んでてうんざりしてたです。基本いけ好かない糞女なので、そのラブロマンスとかイライラマックスですよ(ぉ したら次の本で開始早々その恋人が外国で爆弾テロに巻き込まれて死亡という所から始まるのにワラタ。なにげにコミックマスターJでもそんな話あったな。読者の意見と作者の意図が食い違って、めんどくせーんだよって感じでいきなり問題のキャラを死んだことにして抹殺して、俺は作品世界の神なんだっ面倒くさいキャラは死ねっ! と読者の不満などを力尽くでねじ伏せる……みたいなの。
なんかラブロマンス見たくないんでしょ、じゃあ殺しちゃうからねとキレたのかコレ。とおもたりw
んでも明確に死体が出てきてないっぽい感じで、またひょっこり出てきそうなんですけどね。その死んだ男、元々潜入捜査とかやってる役柄なので一旦偽装で死んだことにしてましたーって出てくる気配アリアリなんですけど、どうなんでしょうかね。
で、今作。今度は別の男とイチャコラしかも妻子ありの男と不倫。それ見たマリーノ警部むっつり。したら逆ギレするしなんなのこの糞女w
まあ、そんなイライラを逆に愉しむシリーズなので我慢w
んで、本書のタイトルにもなってる「死体農場」。事件にはそれほど関わってこない、どちらかというとこんな施設があるんですよという紹介のために出てきた感じで。その説明読んでると、ああ、あの施設かと。海外の昆虫法医学ものだったか、なにか別の本で出てきた施設で、敷地内のいろんな場所に人間の死体を放置してあるんですよ。
外だけでなく、建物の中だったり、水の中だったり。外でも日陰と日向、締め切った車内の中など、いろんな条件で死体を放置して、経過を観察する施設です。
それによって変死や怪死した人の死亡推定時刻をより性格に判断出来る用になると。基本放置される死体は献体で、医学生とかがやる解剖実習なんかで使われる献体と同じだそうです。
その施設の概要は覚えていた物の施設名までは覚えてなかったのですが。死体農場(ボディファーム)というネーミングはどうなのよと思う……。
本書は1994年刊行なので、もうその頃からあったのかと。ちょっとググってみたら1981年からこの実験施設は開設されたらしい。なので開設から10年は経ってるので本書が初めってわけでもなさそうかな?
んでも内容的に理解を得るのが難しそうな施設なのでしばらくは公にはならないようにしてたりとかしてたのかな。死者への冒涜だとか宗教色強い所だとなんか揉めそうだし。
しかし、リンカーンライムシリーズとか、上記の海外の昆虫法医学物とかを読んだときにもおもったのだけども。
日本の科学捜査は遅れてるなとおもたりして。北関東連続幼女誘拐殺人事件の本とか読んでてるとね。科学捜査よりも刑事の勘を信じる、そういうなんか変な信仰がはびこってる感が。
事件解決よりも他のことにばかり夢中になってるのが現在の警察組織なのかという印象を受けたりで。
そんな感じでいろいろと続けて読んだ本の内容がぼちぼちリンクしてたりして、なんかいろいろと思うことのある今週。
花粉症でいろいろとやる気でなくてダウナーな日々。読書は進む~。そんな最近。
黒崎視音「六機の特殊2 蒼白の仮面」
うーん。この人はネタはおもしろげなのに、文章がちょっと拙い印象なのだけど。今作はさらにラノベっぽい。ていうか、いろいろ薄っぺらい印象ぽ。なにげに世間の評価はどうなんだろうとググってみると、書評サイトではなんかおおむね好意的であるぇー? とちょっとなったのだけども。
それでもちょいちょいある批判的なレビューは、わりと自分も感じた事ばかりでわりと同調する部分おおかったりで。特に、なんだか文章がちぐはぐで装飾の部分が浮いてたりとか、軍事系知識の解説の部分が浮いてるなとはおもってたんだけども、その批判的レビューのなかで、「専門書や参考文献の丸写しのような部分が目立つ」と言うのを観て、ああそういうことかと腑に落ちる。なんか地の文に対して、技術解説的やちょっと厨2臭い装飾とかがとってつけたようで借り物感がアリアリなんですよね。あとは犯人側の人物像が薄っぺらすぎるのもなんだなと。
あと、ちょっと思ったのは、作中でコンクリ殺人事件の主犯の男をモデルにしている(というか作中でまんまコンクリ殺人まんまの説明で、名前等が多少変えてあるだけ)人物がでてくるのだけども。
これってええんかいなとかちょっと思ったり。べつにあの胸くそ悪い事件の犯人の人権だとかはどーでもいいのですが(悪人に人権はないっ)フィクションの中で美化してみたり、事件のことを回想させたりとかって、なんだかもやもやっとする物が。
しかし思い返せば、そういった前例には枚挙にいとまがない筈なのですよね。昔からフィクションの中に実在の犯罪者がモデルの犯人役的なものを出したりするのって。
でもなんでコレだけ妙にもやっとした物を感じるのかと思えば、単純にリアルタイムで事件を報道などで観ていた事件だからだろうか。
んーでもオウム真理教がモデルの小説では、普通にこれはあの人物がモデルで、この人は……と読んでても特にこうもやっとしたものは感じなかったのにな。何でだろ。この本全体にある軽薄さみたいなものが、実在の痛ましい事件とあまりにも乖離しているというか、なんか事件を玩具にしてるような不快感をなんだか感じてしまってるのかもしれない。ものすごく個人的な価値観的な部分で変な具合に引っかかってるだけなのかもだけど。
この本の前に読んだものの影響もあるのかもしれない。それが次の本。
清水潔「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」
ネットのまとめサイトか何かのなかで、冤罪事件の話でこの事件の話が載っていて。無期懲役で17年服役後に無罪釈放という。この冤罪事件や、元の事件はリアルタイムでTVで報道を見ていた記憶がある。そしてこの本それらの情報サイトのなかで紹介されてた本で、事件のルポもの。
ルポものといいつつも、微妙に筆者であり記者の清水潔が自分の功績をたたえる自叙伝的な部分がちょっと鼻につく所も。寝てるときに被害者の少女と思われる霊がベッドの回りを歩いてたとかいうオカルトもちょっと冷める。
しかしそれ以外の部分、警察という組織の腐りっぷりがヤバイ……。結局のところ、この冤罪事件の根底にあったのは、新方式のDNA鑑定技術の確立と、その信憑性。その最中で古いDNA鑑定方法が間違ってると認めると、本件以外でも再検査がおこなわれて新たに冤罪が発覚したりすると困る……というような、面子だとか体面だとか、真実の探求がなおざりになっているどころか無視されているレベルで、現場の刑事も大きな事件なので解決させる事が目的であって、解決したことで面子さえ守れれば良いというところからの、半ば拷問による強制的な自白→冤罪という流れだったりで、とにかく酷い……の一言。
クライム小説でも、検死官物とか科学捜査物が好きなのですが、それは自供や自白とかの曖昧な物ではなく、科学的な物証によってきちんと白黒付く明白さが好きなのかもしれないと改めて思ったり。
しかし現実には面子や体面、決めつけや予断、勘、思いつきのようなあやふやなものでごり押しで解決=点数稼ぎにのみ突っ走る警察の現実を見せつけられて、もし自分が被害者、被害者家族などになったときに、まるで警察って信用に足らないじゃないかと思わせるに十分な無能っぷりだなと。
漫画や小説の中の科捜研は、予断を排したあくまでも科学的な真実のみを追求する集団という感じで描かれてたりするのですが、そこすらもわりと現実では当てにならんのだなと。
なんかDNA鑑定方法のあたりは、薬の認可とかと同じ匂いがするですよね。その薬が効くかどうかではなく、認可をとって開発費がペイ出来るか、いくら儲けられるか。開発者として名前が売れるか。そのためにはもっと効いて副作用も少ない新薬が出来ても握りつぶす。研究開発費がペイできるまでは大して効かないとわかってる薬でもずっと使われ続ける。みたいな。
そういう世界の人達には冤罪によって10年以上も投獄された人一人の人生なんて気にもとめない世界の住人なんだろう。そんなところに真実だけを追究しろよといっても無駄なんだろうな。
そんな絶望感というか不信感が募る内容であるとともに、子供が巻き込まれる犯罪は胸くそが悪いなと。
あとは真犯人と目される「ルパン」について結局曖昧かつ、なんの決着も付いていない部分がちょっと消化不良ぽ。
次の本。
フレデリック・フォーサイス「アウトサイダー 陰謀の中の人生」
フォーサイスの自伝。フォーサイスといえば、ウィキにも描かれているように、スパイ活動をしていたとか、本の印税でとある反政府ゲリラへの支援を行ったとかいう噂があるお人なのですが。
元記者だという以外はそれほど詳しい経歴は知らなかったのだけども、自伝を読むと、結構すごい人だったんだなと。元イギリス空軍の戦闘機乗りだったり、ものすごく活動的な人物だったようで。
自伝というよりは普通に小説のようで、フォーサイスの人生も小説の主人公のよう。多少は盛ってる部分もあるのだろうけど、普通に自伝としてではなく読み物としても面白かった。
しかしまず最初に思ったのは既視感。なんかこの自伝の書き方には覚えがある。コリンウィルソンの自伝もこんな感じだったなと。共通するのはイギリス人気質と言う奴なのだろうか。ともすれば傲慢にも思える、自身への矜持。ああイギリス人的だなあとかおもったり。それほど自伝的なものて読むことないのだけども、ほかで読んだことあるのはスティーブンキングの自伝的なのとかも面白かったな。
そしてビアフラ戦争。
漠然とアフリカでお腹を空かせた子供が大勢いて~といった写真を誰しも一度は見たことがあると思うのだけど、その内幕が、実際に現地で記者として取材した記録から描かれている。漠然と海の向こうでは~と言う感じで当時は細かいデティールまでは知らなかったのだけども(ビアフラ戦争1967年~1970年なのでおいら生まれる前の話だし……)フォーサイスの記者としての目線からその詳細を見るに、結局の所大国のエゴとか代理戦争に現地の人が巻き込まれての悲劇だったと。
今も昔もやってる事は変わらないですね……。
なんだか犯罪もののルポから戦争もののルポまで続けて読んでると、性悪説ではないのですが、世界は悪意に満ちてるような、そんなどんよりとした気分になりますね。何処を向いても金と欲に染まった人でなしばかりしかいないような。それが人間だと要ってしまえばそれまでですけどね。
なんだか現実は酷い事ばかりだなとちょっぴり暗い気持ちになる。
パトリシア・コーンウェル「死体農場」
あいかわらずの主人公のケイ・スカーペッタの糞女っぷりがすさまじい。
自分に好意を持っているのを知りつつも、がさつで下品でぶっさいくなおっさん(でも刑事としての腕は敏腕)のマリーノ警部に対してはその好意に応えることは「無いわー」ときっぱり拒否。そのくせ不摂生とか私生活に対して気に掛けてやってるのに、他の女に目移りしたり言うこと聞かないとか何なのアンタ! とキレたりするし。基本的に自分が美人でいい女だと自覚してて、どんな相手からも好意を向けられて当然だと思ってる系の女なのですよね。んで、その好意に対して受けるのはイケメンだけという。そんなんに振り回されてるマリーノ警部を生暖かく見守るシリーズです(ぉ
しかし、シリーズ数作前の時に、大学時代の恋人とよりをもどしてイチャコラしたあげくだらだらとラブロマンスが続いたとき、読者から「このシリーズに恋愛要素とかイラネ。」という意見が多く出たらしい。ちなみにおいらも読んでてうんざりしてたです。基本いけ好かない糞女なので、そのラブロマンスとかイライラマックスですよ(ぉ したら次の本で開始早々その恋人が外国で爆弾テロに巻き込まれて死亡という所から始まるのにワラタ。なにげにコミックマスターJでもそんな話あったな。読者の意見と作者の意図が食い違って、めんどくせーんだよって感じでいきなり問題のキャラを死んだことにして抹殺して、俺は作品世界の神なんだっ面倒くさいキャラは死ねっ! と読者の不満などを力尽くでねじ伏せる……みたいなの。
なんかラブロマンス見たくないんでしょ、じゃあ殺しちゃうからねとキレたのかコレ。とおもたりw
んでも明確に死体が出てきてないっぽい感じで、またひょっこり出てきそうなんですけどね。その死んだ男、元々潜入捜査とかやってる役柄なので一旦偽装で死んだことにしてましたーって出てくる気配アリアリなんですけど、どうなんでしょうかね。
で、今作。今度は別の男とイチャコラしかも妻子ありの男と不倫。それ見たマリーノ警部むっつり。したら逆ギレするしなんなのこの糞女w
まあ、そんなイライラを逆に愉しむシリーズなので我慢w
んで、本書のタイトルにもなってる「死体農場」。事件にはそれほど関わってこない、どちらかというとこんな施設があるんですよという紹介のために出てきた感じで。その説明読んでると、ああ、あの施設かと。海外の昆虫法医学ものだったか、なにか別の本で出てきた施設で、敷地内のいろんな場所に人間の死体を放置してあるんですよ。
外だけでなく、建物の中だったり、水の中だったり。外でも日陰と日向、締め切った車内の中など、いろんな条件で死体を放置して、経過を観察する施設です。
それによって変死や怪死した人の死亡推定時刻をより性格に判断出来る用になると。基本放置される死体は献体で、医学生とかがやる解剖実習なんかで使われる献体と同じだそうです。
その施設の概要は覚えていた物の施設名までは覚えてなかったのですが。死体農場(ボディファーム)というネーミングはどうなのよと思う……。
本書は1994年刊行なので、もうその頃からあったのかと。ちょっとググってみたら1981年からこの実験施設は開設されたらしい。なので開設から10年は経ってるので本書が初めってわけでもなさそうかな?
んでも内容的に理解を得るのが難しそうな施設なのでしばらくは公にはならないようにしてたりとかしてたのかな。死者への冒涜だとか宗教色強い所だとなんか揉めそうだし。
しかし、リンカーンライムシリーズとか、上記の海外の昆虫法医学物とかを読んだときにもおもったのだけども。
日本の科学捜査は遅れてるなとおもたりして。北関東連続幼女誘拐殺人事件の本とか読んでてるとね。科学捜査よりも刑事の勘を信じる、そういうなんか変な信仰がはびこってる感が。
事件解決よりも他のことにばかり夢中になってるのが現在の警察組織なのかという印象を受けたりで。
そんな感じでいろいろと続けて読んだ本の内容がぼちぼちリンクしてたりして、なんかいろいろと思うことのある今週。
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